イタリア紀行 ②

芸術

ウフィツィ美術館 編 ①

今回はフィレンツェにある「ウフィツィ美術館」です。
個人的には1番好きな美術館です。
イタリア絵画好きな私にとって、これでもかと言わんばかりに名作が揃っています。

しかしツアーでは時間に限りがありますので「見たいものから見る!」が鉄則です。それではいってみましょう(絵画の専門家ではありませんので、コメントは大目にみてくださいね。)

まずはボッティチェッリ「春:プリマヴェーラ」1482年頃の作品。
この作品は画面右端から左に向かって季節の移り変わりを感じるそうです。
右側の青い人。西風の神ゼフュロスがクロリスに春の風を吹きかけ誘惑し、彼女を春の女神フローラに変身させています。

中央にはヴィーナスが描かれており、その近くで三美神が舞い踊っています。春の風である西風が吹いて、大地が暖かくなり草木が芽吹き、春に対する喜びを表現しているように感じられます。

つづきまして「ヴィーナスの誕生」1485年頃の作品。
海の泡から誕生した女神ヴィーナスが、貝殻に乗って岸に運ばれてくるシーンが描かれています。
ヴィーナスは中央に立っており、彼女の左側には、先ほど「プリマヴェーラ」にも出てきた風の神ゼフュロスとクロリスが描かれ、ヴィーナスを岸まで運ぶ風を表現しています。また右側には季節の女神であるホーラが岸で花の装飾が施された布を持ってヴィーナスを待ち受けています。

ちなみに、「ヴィーナス」とはギリシア神話で愛と美と豊穣の女神ですが、英語名が「ヴィーナス」、ギリシア語名が「アフロディーテ」、ラテン語名が「ウェヌス」となるようです。

余談ではありますが、ギリシア語名「ゼウス」も英語名では「ジュピター」ラテン語名が「ユピテル」となります。
モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」もそういう意味だったのかと後から知り、我ながら納得したものです。

つづきまして レオナルド・ダ・ヴィンチ です。
いわずと知れた「受胎告知」ですね。1472-1475年頃に描かれたとされています。

天使ガブリエルが聖母マリアにイエス・キリストを身籠ったことを告げる聖書の場面を描いた作品です。
作品の中央には、天使ガブリエルが右側にひざまずき、聖母マリアにイエスを身籠ったことを伝えています。左手にユリの花を持っており、ユリの花は純潔を象徴しています。つまりマリアは男性と関係を持たずして身籠ったことを表しています。
天使ガブリエルの翼は、解剖学に精通したレオナルドならではの表現ですね

ちなみに私は絵画に描かれた聖書の場所を一目見たく、イスラエルへ旅行したことがあります。
(私はユダヤ教やキリスト教を信仰している訳ではありませんので、ご了承ください)
こちらがイスラエルのナザレにある「受胎告知教会」の内部にある「受胎告知の洞窟」です。

受胎告知の洞窟

聖書の場面に登場してくる場所を実際に訪れることができた感動があります。
数ある「受胎告知」の名画も、画家がそれぞれの想いを巡らせ筆に魂を込めたのでしょう。

それにしても、このドーム型の建物内部にどうやってガブリエルが飛んでくるのだ?
そうか、この教会はその後に建立されたのだと解釈しました。

山上の垂訓教会

こちらはイスラエル・ガリラヤ湖北西岸のカファルナウム近くの丘の上にある「山上の垂訓教会」です。イエスがここで弟子たちと群集に教えを語ったとされています。

個人的には、レオナルドの作品はこの外観に近いような気がしています。
これならガブリエルも飛んでこれるよね。

続きまして「キリストの洗礼」こちらはレオナルドの師匠であるアンドレア・デル・ヴェロッキオとの共作と言われています。1970年代の作品です。

「キリストの洗礼」1470年代の作品

絵画の中心には、洗礼を受けるイエス・キリストが描かれており、彼の右側の洗礼者ヨハネは水をすくってイエスの頭に注いでいます。イエスの左側には二人の天使が描かれており、イエスの衣服を持っている様子が見られます。
この作品はヴェロッキオの工房で制作されており、複数の人の手によって描かれたとされています。
特に左側の天使は、レオナルドが手掛けたのではないかと言われており、表情や髪の質感など彼の特徴を表しているのではないのでしょうか。
実際に洗礼を受けたとされるヨルダン川対岸のベタニアを訪れましたが、皆さん白い衣を纏って川の中に入っていかれていました。

イタリア紀行シリーズはコチラ
/イタリア紀行-①/
/イタリア紀行-②/
/イタリア紀行-③/
/イタリア紀行-④-カラヴァッジョ-編/
/イタリア紀行-⑤/

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