クラシック音楽のある暮らし ④ ~ オペラに行ってみよう!【国内編】 ~

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はじめに

前回の記事「オペラの世界を覗いてみよう!」では、オペラの魅力や楽しみ方、そして心に残る名アリアをご紹介しました。オペラの世界が少し身近に感じられたのではないでしょうか?

今回は、実際に劇場でオペラを楽しむための一歩を踏み出す内容です。どこで観られるの?どんな演目を選べばいい?服装やマナーは?

初めての方でも安心して楽しめるよう、チケットの取り方から当日の過ごし方まで、わかりやすくお伝えします。
あなたも “オペラ デビュー” してみませんか ✨

どんな作品から観ればいいの?  ~ 初心者向けおすすめオペラ ~

「オペラに興味はあるけど、どれを観たらいいかわからない」──そんな方のために、まずはストーリーがわかりやすく、音楽も耳なじみのある名作からご紹介します。

① ヴェルディ『椿姫』

美しくも儚い、高級娼婦ヴィオレッタと青年アルフレードが織りなす恋物語。
愛ゆえの別れ、そして再会と別れ。。。
涙なしには観られないドラマと、胸を打つ旋律が魅力です。「乾杯の歌」(Libiamo)はCMなどでもよく耳にする名アリアですね。
最も公演が多い演目のひとつです。私もこれまで国内外で数回鑑賞しています。

② ビゼー『カルメン』

自由奔放な女性カルメンと、彼女に翻弄される兵士ドン・ホセの情熱と破滅の物語。「ハバネラ」や「闘牛士の歌」など、誰もが一度は聞いたことがあるメロディが次々と登場します。まるで一本の映画を観ているようなスピード感ある展開です。
前奏曲「闘牛士」は、F1の表彰式でも使われており、かなり盛り上がります!

③ プッチーニ『トゥーランドット』

中国を舞台にした幻想的なオペラ。冷酷な王女トゥーランドットと、彼女に恋する王子の物語。「誰も寝てはならぬ」(Nessun dorma)は世界中で愛されるアリアで、聞いた瞬間「あ、知ってる!」となる方も多いはず。
フィギュアスケートの荒川静香さんの活躍で、より一層有名になりましたね ✨
左の動画は、まさに 2006年のトリノ冬季オリンピック開会式のものです。


これらの作品は、いずれも日本語字幕付きで上演されることがほとんどなので、内容が理解しやすく、物語に自然と引き込まれていきます。

また、Wikipedia や YouTube などであらすじを事前にチェックすることを強くオススメします。
あらすじや登場人物の関係をあらかじめ理解しておくと、さらに観劇が楽しくなります。上演中に演奏される音楽や登場人物の関係性にも注目できますし、感情の動きがリアルに伝わってきて、「あ、今この人、こんな気持ちなんだ」と感じ取れるようになります。

最初の作品は、「ちょっと気になる」や「聞いたことある曲がある」くらいの軽い動機でちょうど良いと思います。

オペラの世界には、あなたの心を揺さぶる瞬間が、きっと待っています。

チケットの取り方  ~ オペラは意外と手軽に観られる ~

「オペラって、チケットを取るのが大変そう…」と思っていませんか?

最近は、ネットから簡単に座席指定でチケットを購入できますし、3,000円〜5,000円台で観られる公演も少なくありません。地方公演や、オペラ団体の自主公演なども、質が高くて魅力的です。

最初は “お試し感覚” でも、全然OKです。
鑑賞したからこそ、「次はこうしたい」「こんな演目も気になる」と、自分の好みが見えてきますよ!

ここでは、初めての方でも迷わずチケットを入手できる方法をご紹介しますね。

① まずは観たい公演をチェック!

国内でオペラ公演を行っている主な劇場は、新国立劇場(東京)や びわ湖ホール(滋賀)などがありますが、その他の会場でもオペラ用に舞台をセッティングして公演されます。

まずは、劇場の公式サイトや、お近くのコンサートホール、市民会館などの公演スケジュールをチェックし、まずは気になる演目を探してみましょう。

また、チケット販売サイトの「チケットぴあ」「イープラス」「ローソンチケット」でも、全国の公演が検索できます。

② チケットの購入 いろいろ

オペラのチケットは以下のような方法で購入できます。

劇場の公式サイトから購入

劇場の公式サイトでは、座席表を見ながら直接購入できる場合があります。
公演によっては先行販売もあるので、早めにチェックしておくと安心ですね。

プレイガイドで買う

「チケットぴあ」「イープラス」「ローソンチケット」などのチケットサイトでは、会員登録後にネットで簡単に予約・購入できます。またコンビニ(セブンイレブン・ファミリーマートなど)での支払いや発券も可能です。

電話・窓口での購入

昔ながらの方法ですが、劇場のチケットセンターに電話するか、直接窓口で買う方法もあります。希望が細かい場合はこちらも便利です。

座席の選び方

チケットは、S席 ~ C席など価格によって振り分けがありますが、できれば「ステージが見える席を購入する」ことをオススメします!

せっかくのオペラ鑑賞なのに、舞台が見えない。前の人の頭しか見えない!となると かなりストレスとなります。
視覚の確保は特に重要です!

例えば左図の様な座席表があったとします。
そこでオススメなのがピンクで色分けした座席です。

ここだと視界を遮られる可能性が低く、仮に前の座席の人が大きくても、すこし通路側に身を乗り出すことができますので、視界が確保されます。

会場によっては、前の座席を被らないように、席が半分づつずれている場合もありますし、チケット購入前に、会場の座席表を確認することをオススメします。

またHPにて座席からの見え方を提供している場合もありますね。

会場にもよりますが、ステージからある程度距離を置いた方が、各楽器の音が調和するとも言われていまが、オペラの場合、出演者の表情が見たい場合には、ステージに近い席を選びましょう。
しかし当然ながら、チケットの価格は上がりますね。

また購入方法は、劇場の E-チケットが便利かもしれません。

< メリット >
・ チケットを忘れることがあってもスマホを忘れる可能性は低い。
・ 購入履歴が残るため、スマホの調子が悪くても入場できる場合がある。(名前で入場できた経験有り)

あとは予算との兼ね合いで、好みの席を選びましょう。

服装やマナーは?  ~ 気軽に楽しむための心得 ~

「オペラって、ドレスやタキシードで行くものじゃないの?」 そんなイメージ、ありませんか?
たしかに格式あるイメージがあるオペラですが、現代ではもっと自由に、もっと気軽に楽しむ人が増えています。

 服装は堅苦しく考えすぎなくてOK!

劇場によって雰囲気は異なりますが、日本の公演では “スマートカジュアル” でOK!
特に平日の夜や休日マチネ(昼公演)なら、キレイめな私服で十分です。たとえば

  • 男性:ジャケットにシャツ、きれいめのパンツ
  • 女性:ワンピースやブラウス+スカート、上品なセットアップなど

「ちょっとしたレストランに行く」くらいの感覚でOKです。
もちろん、観劇を特別な日と考えてドレスアップするのも楽しみの一つです。年末の『第九』や『ニューイヤーオペラ』では、華やかな装いの方も多く見られます。そういったお洒落もオペラ鑑賞の楽しみのひとつです。

スマートカジュアルな着こなしについては、別の記事で紹介しています。こちらも是非閲覧くださいね ✨

 マナー 大切なのは「まわりへの配慮」

オペラはライブで行われる総合芸術です。静寂の中で音楽が響くので、ちょっとした音や光も目立ちます。以下のマナーを押さえておくと安心ですね。

  • スマホは電源OFF(機内モードでも電波が干渉することがあります)
  • 上演中の私語や物音はNG(飴の包み紙も意外と響きます)
  • 被り物や髪をお団子にしない(後ろの人の視界を遮ります)
  • 咳エチケットも忘れずに(のど飴の準備やハンカチで口を覆いましょう)

ちなみに、拍手のタイミングもよく聞かれますが、最初は「周りの人に合わせる」でOKです。
アリア(独唱)が終わったあとなどに自然と拍手が起こるので、そこで一緒に手をたたけば大丈夫ですよ ♪

 あると便利なもの

次はあると便利なものです。意識しなくても咳は出やすいですので、のど飴は是非持参しましょうね。

  • 双眼鏡(表情や衣装の細部まで見たい方に)
  • 羽織もの(空調が効いて寒いことも)
  • 小さなバッグ(足元に収まるサイズだと快適)
  • のど飴(咳を防ぐ)

これまでご紹介して内容が、オペラを楽しむ ちょっとしたコツ です。
必要なのは、音楽や舞台に心を開くことと、ほんの少しの思いやりなんです。

まずは気軽な気持ちで、劇場の扉を開いてみましょう。
そこで待っているのは、非日常のときめきと、忘れられない体験に出会えるかもしれません。

休憩時間の楽しみ方  ~ 非日常を楽しもう ~

オペラ公演は、1本あたり2〜3時間程度と長めの演目が多く、通常1回〜2回の休憩が設けられます。
この休憩時間もオペラ鑑賞の楽しみの一部です。せっかくなので、ゆったりと優雅なひとときを過ごしてみませんか。

 ロビーでドリンクや軽食を

多くの劇場では、ロビーやホワイエでワインやシャンパン、コーヒーなどのドリンク、軽食を楽しむことができます。お友達と感想を語り、気持ちを言葉にすることで、記憶にも残りやすくなります。

ちなみに私はコンサートや観劇では、アルコールを飲みません。シャンパンなどを楽しんだこともありますが、その後、音楽に集中できなくなり、楽しめなくなるからです。

くれぐれも飲み過ぎには注意しましょうね(笑)

 建物の雰囲気を味わう

大規模な劇場では、建築自体が美術館のように美しく、ロビーや階段、ホワイエを散策するだけでも贅沢な気分になります。非日常の空間を味わってみませんか。

鑑賞あとの楽しみ方  ~ 感じたことを味わおう ~

オペラの幕が下り、拍手と共に始まるカーテンコール。あなたの気持ちを存分に出演者に届けましょう。
そして舞台の余韻が静かに体の中に広がっていきます。それもオペラの醍醐味のひとつです。

オペラを観たら、それによって「感じたこと」をじっくり味わう時間も楽しんでみましょう。

 印象に残ったシーンを思い返す

「あのシーンが感動的だった!」「あのアリアが始まったとき、鳥肌が立った」など、そんな心の動きを、ひとつずつ振り返ってみませんか?

また、感動した場面だけでなく、「ちょっと分かりにくかったな」と思った部分も、大事なヒントになります。
後から自分で調べてみたり、パンフレットを読み返すことで、あなたの中で作品の世界がどんどん広がります。

 誰かと話す・SNSで共有する

また、最近ではX(旧Twitter)やInstagramなどに投稿する人も増えています。
#オペラ鑑賞 #今日のオペラ などのタグで感想を見てみると、意外な視点に出会えるかもしれません。

オペラは是非、パートナーやお友達との同行をオススメします。
同じ舞台を観て感動を共有したり、感想を語り合うことができるのは、とても素敵な時間です。

 もう一度、音楽にふれる

観劇後にCDや配信で音楽を聴くと、「あの時の感情」が もう一度 甦ってくるんです。
あのシーンの情景や歌手の表情、自分が感じたこと。。。それらが重なり合って、鑑賞体験がさらに印象深く刻まれることになります。

「舞台鑑賞→ 再度聴く→ また観たくなる」
そうやって、オペラとの距離がどんどん縮まっていく。それが “鑑賞したあとの楽しみの魔法” なのかもしれません。


オペラは、一夜限りの特別な体験です。
だからこそ、「その後の余韻」をどう過ごすかで、あなたの中に残る印象が大きく変わってきます。

舞台鑑賞が終わったあとも、どうぞ ゆっくり、じっくり、味わってみてくださいね ✨

まずは一歩踏み出してみよう  ~ あなたのオペラ体験のはじまり ~

ここまで読んでくださったあなたは、もう立派な「オペラ予備軍」です。
少しでも「ちょっと行ってみたいかも」と感じたなら、あとは 「最初の一歩を踏み出すだけ」です。

オペラは、難しいものでも、特別な人のものでもありません。
舞台の上の生の歌声や感情が、自分の琴線に触れる…
そんな瞬間に出会えたら、それがもう、あなたにとっての“オペラ体験”のはじまりです。

私は歌手や演奏者の情熱や集中力を感じ取れる瞬間に、幸せを感じます。
私たちは日常生活において、これだけ集中してエネルギーを発しているでしょうか。
そんな彼らに立ち会える瞬間は、至高の喜びとなります。

 自分のペースで楽しもう

ここまで色んなことを書いてきましたが、自分のペースで楽しむことが最も大切です。

「どの演目から観ればいい?」「予習した方がいい?」
そんな疑問があるとは思いますが、大切なのは、“自分が心地よいと思える”ことを大切にすることです。

  • 美しい音楽に惹かれても
  • 豪華な衣装や舞台美術にときめいても
  • 感動的なストーリーにのめり込んでも

すべて、立派なオペラの楽しみ方です。

 あなたの物語が、ここからはじまります

オペラを鑑賞するたびに、感じることは少しずつ変わます。
それは、その時のあなただから感じ取れる、芸術作品なのです。

だからこそ「今日のあなたが鑑賞したオペラは、今日のあなたにしか出会えない特別なもの」なのです。

ほんの少しの勇気で開かれる、オペラの扉
どうぞ、その向こう側で、あなたの心がふるえる瞬間に出会ってください。

さあ、あなたのオペラ体験を、ここから始めましょう ♪ ✨

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