クラシック音楽のある暮らし ⑥ ~ オペラに行ってみよう!【海外編】 ~

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はじめに

海外旅行の楽しみが「観光とグルメ」だけだなんて もったいない。
少しだけ勇気を出して、現地でオペラ鑑賞にチャレンジしてみませんか?

これまで ご紹介した「オペラを覗いてみよう!」「オペラに行ってみよう!【国内編】」を読んで、
「ちょっと行ってみたいかも…」と思ってくださった方へ。

今回はさらに一歩踏み込んで、海外のオペラハウスの魅力と、観劇のコツや体験談をご紹介します。

言葉の壁? 服装の心配? 大丈夫です。初めてでも楽しめます。
旅の中で体験する 非日常の感動、一緒に味わってみませんか?

オペラハウスの魅力  ~ 芸術の宝石箱 ~

初めて海外でオペラを観たときの感動は、今でも忘れられません。
その感動の源は多岐に渡ります。まずは重厚で歴史を感させる建築物、一歩踏み入れるとそこには豪華な装飾の数々、そして歌手や演奏者の迫真のパフォーマンス。
私たちがその空間に身を置くで感じ取れる特別な体験。。。

こうして劇場では、オペラを「音楽」や「ストーリー」として観るだけでなく、「建築」「歴史」「文化」までもが一体となって体験できる、まさに “ 芸術の宝石箱 ” なのです ✨

私がこれまで訪れたオペラハウス(歌劇場)です。思い返したら結構行ってましたね(笑)

① ウィーン国立歌劇場(ウィーン)
② ミラノ・スカラ座(ミラノ)
③ パリ・オペラ座 ガルニエ宮(パリ)
④ ロイヤル・オペラ・ハウス(ロンドン)
⑤ マリインスキー劇場(サンプトペテルブルグ)

⑥ バイエルン州立歌劇場(ミュンヘン)
⑦ 王立モネ劇場(ブリュッセル)
⑧ サン・カルロ劇場(ナポリ)
⑨ マッシモ劇場(パレルモ)
⑩ フィレンツェ歌劇場(フィレンツェ)
⑪ スタヴォフスケー劇場(プラハ)

この中から一部(画像が残っている歌劇場)をご紹介したいと思います。
※ 画像については現地のリアル感を出すため、一部外部から引用させて頂いております。

 ウィーン国立歌劇場(オーストリア・ウィーン)

まずは音楽の聖地。ウィーン国立歌劇場です。格式高いルネッサンス様式の建築は外観だけでも圧巻で、内部に一歩足を踏み入れると、その豪華絢爛な装飾と重厚な雰囲気に息をのむことでしょう。

特にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の母体ともなっているオーケストラの演奏は、音楽の都ウィーン特有の響きをもたらしてくれます。

またマーラーやR.シュトラウス、カラヤンなどの歴史的に多くの名指揮者が総監督を務め、2002シーズンからの小澤征爾さんの音楽監督就任は、日本中を沸かせました!

私はこれまで3度程訪れていますが、落ち着いた雰囲気の歌劇場です。
座席は多層構造で、比較的リーズナブルに本格的なオペラを楽しむことも可能で、立ち見席も設けられています。
また世界中から観光に訪れる人も多く、観客には学生も多く見られます。

終演後の夜景は特に美しい!
ここの絨毯はグリーンですね。
写真:© Dennis Jarvis, Wikimedia Commons, CC BY-SA 2.0
出典:Vienna Opera main foyer and lobby
写真:© Jebulon, Wikimedia Commons, CC BY-SA 2.0
Vienna Opera House Interior
「ロイヤルボックス」いつかここで観劇したい!
カーテンコール ブラボー!!

 パリ・オペラ座 ガルニエ宮(フランス・パリ)

華麗なバロック様式が魅力の「ガルニエ宮(Palais Garnier)」は、パリの中心部に位置する世界有数のオペラハウスです。ナポレオン3世の命によって建設され、1875年に完成。建築家シャルル・ガルニエの名を冠したこの劇場は、まるで宮殿のような豪華な内装が特徴で、天井画は画家シャガールによって描かれています。

現在は主にバレエ公演が中心となっていますが、小規模なオペラの公演も行われているようです。

私が訪問した時も、パトロンを招待する記念式典でだったのですが、ロシアからバレエ団を呼び、ガラコンサートという形式で公演がなされました。

休憩時間にはケーキやシャンパンが振る舞われ、これ以上ないゴージャス感を味わえました。
必ずもう一度味わうつもりです。。。

パトロンを招き入れるため中央入口にレッドカーペットが敷かれてます。
記念式典につき、階段の両脇に近衛兵が立位しています。
写真:© David Iliff, Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0 出典はこちら
天井画はシャガール
写真:© Benh LIEU SONG, Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0
出典はこちら とても豪華な大休憩室
    中央階段は花で装飾されています。なんともゴージャズ!
あまりにも豪華な装飾でしたので、記念撮影しました。

 マッシモ劇場(イタリア・パレルモ)

イタリアのシチリア島パレルモにあるマッシモ劇場(Teatro Massimo)は、壮麗なオペラハウスで、1897年に完成しました。
新古典主義とアール・ヌーヴォーを組み合わせた建築様式で、優美なデザインが特徴で、音響も非常に優れています。
また、ヨーロッパで3番目に大きいオペラ劇場で、マッシモ 「Massimo」 とはイタリア語で「最大の」などの意味を持つ言葉で、 英語の 「maximum」のことですね。

映画『ゴッドファーザー Part III』の重要な舞台としても有名です。
実は、この劇場を訪れようと思ったキッカケは、お正月の夜中にNHKで放送していた『ゴッドファーザー・シリーズ』を観て、次はココに行こうと決めたのです。

そして、いざチケットを手配しようとしましたが、すでに完売で日本を発つまでチケットを持ち合わせておりませんでした。
そこで当日、現地ガイドさんに相談したところ、劇場に問い合わせてくれて、どうも当日券があるみたいとの返事を頂けました。そこでお昼に劇場に向かったところ、なんと『ロイヤルボックス』が空いていたのでした ♪

『チケット無し』から『ロイヤルボックス』へ! なんとラッキーなのでしょう ✨ 私ついてる~ ♬

劇場は階層が上に行くほど、熱気で暑くなります。
天井も美しい
映画「ゴッドファーザー Part III」のワンシーン
写真の2階部分はロイヤルBOX 映画と同様ここから観劇できました!
ロイヤルBOXからの眺め 流石に視界良好です!
気分は「ドン・コルリオーネ」
ゴッドファーザーでは、観劇後、マイケルはここで襲われた!

チケットの取り方 ~日本からでも意外と簡単?~

私自身は、これまで知人にチケットの手配をお願いしていたため、オンライン予約の経験はありませんが、主要劇場の多くは公式サイトから英語でチケット購入が可能です。


特にウィーン国立歌劇場やパリ・オペラ座(ガルニエ宮)などは、英語対応のページが整備されており、クレジットカード決済にも対応しているようです。

次回は自分で予約してみたいと思っています!

 各劇場の公式サイトをチェックしよう

たとえば、ウィーン国立歌劇場やパリ・オペラ座(ガルニエ宮)、ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスなどは、公式サイトに 英語対応の予約ページ があり、希望日・座席を選んでクレジットカードで購入します。

メールで届くPDFチケットを印刷して持参するか、スマートフォンで表示すると入場できます。

時折、パスポートの提示 を求められる場合があります。私はそれからパスポートを必ず持参するようにしています。

 予約のタイミングと座席の選び方

人気公演は発売と同時に売り切れることもあるため、数ヶ月前からチェック し、販売開始日を確認するのがベストです。また、オペラハウスの座席配置は独特なので、見やすいエリアのレビュー座席表を事前に確認しておくと安心です。

私の経験では、平土間の真ん中付近は前の座席の人と頭が重なるため、見えづらかったことあります。また、サイドのBOX席においても、2列目以降で視界の確保は難しいかもしれません。

私の場合「せっかくなら良い席で!」という気持ちが強く奮発したこともありましたが、まずは雰囲気が味わえれば良いということであれば、お手頃なチケットでも良いですし、目的に応じて選びましょう。

 現地での購入や当日券も選択肢に

もし現地滞在中に予定が空いたら、劇場の当日券カウンターに並んでみるのもおすすめです。開演直前にキャンセル席が出ることもあり、思いがけず良い席を手に入れられるかもしれません。

シチリアのマッシモ劇場では、まさにこの通りでした。念願の『ロイヤルボックス』デビュー は、この方法で果たしました ✨

 オペラを海外ツアーと組み合わせる

私はいつも一人で海外旅行に行くので、旅行会社のツアーを活用しています。つまりオペラ鑑賞の日に、現地に到着する海外ツアーを選んでいるのです。

< 海外ツアーと組み合わせるメリット >
・ 観光の効率が良い。(待ち時間も少なく、バスに乗るだけで連れて行ってくれる)
・ 現地ガイドさんによる説明やアドバイスを受けられる。
・ 食事を一人で食べなくて済む(量やメニューの理解など、海外で一人の食事は難しい)
・ 旅行代金が安くなる。
・ 気力や体力の消耗が少なく、オペラに集中できる。

以上、メリットが数多くあります。よく個人旅行の方が安くなるとおっしゃる方もいらっしゃいますが、観光や食事も含め、同じ内容を個人とツアーで比較すると、ツアーの方が安くなります。それは添乗員の方もおっしゃってました。

ただ、オペラ演目の日と海外ツアーの日程が合う商品を探す手間が掛かりますし、日程が合わず、泣く泣くオペラを断念したこともありました。

3. ドレスコードと服装の雰囲気 〜「正装」ってどこまで?〜

海外のオペラハウスと聞くと、「ドレスやタキシードじゃないと浮くのでは?」と不安に感じる方も多いかもしれません。確かに、格式高い劇場ではドレスアップを楽しむ観客も多く、ロビーには華やかな雰囲気が漂っています。

ですがご安心ください。実際には、そこまでフォーマル装いが必要だった場面はありません。
多くの劇場では「スマートカジュアル」な装いでも問題ありません。つまり「ちょっとおしゃれして出かける」程度で大丈夫なんです。

スマートカジュアルの着こなしが気になる方はコチラをチェック!

 実際の服装例

  • 男性:ジャケット+シャツ(ノーネクタイOK)、革靴
  • 女性:ワンピースやブラウス+スカート、または上品なパンツスタイル
  • 靴 :スニーカーやサンダルは避け、革靴やパンプスがベター

基本的には上記のようなスマートカジュアルな装いで十分ですが、特別な夜(ガラ公演や初日)には、よりフォーマルな装いを楽しむ方も多く、ドレスやタキシード姿が増えます。しかし それも「オペラの楽しみ方の一つ」なのです。

このブログを読んでくださった皆さんは、夜の公演ではタキシードとは言わないまでも、是非しっかりとしたスーツ姿で足を運んで欲しいと思っています。気負いすぎず、自分が心地よく過ごせる範囲での「少しの非日常」を取り入れ、オペラをより楽しんで欲しいと思っています。

スーツの着こなしについては、数回に分けてコチラで記述しています。是非読んでくださいね。

劇場の美人スタッフとパチリ

4. 言葉が分からなくても楽しめる?

「海外のオペラって日本語字幕は無いし、話が分からなかったら楽しめないのでは…」
そんな不安を持っている方も多いと思います。実は私も、最初はそう感じていました。

でも、安心してください。言葉が分からなくても、オペラは十分に楽しめます。

 音楽と演技で表現する総合芸術

オペラは「音楽と共に歌って演じる」総合芸術です。
たとえ言語が分からなくても、音楽の美しさ、登場人物の表情や動き、舞台美術や照明の演出が、物語をしっかりと伝えてくれます。

劇的な音楽と共に、歌手の感情のこもったアリアや二重唱は、人の情熱を間近に感じとれるとても幸せな瞬間です。

右は、ルチアーノ・パバロッティによる
プッチーニ「トスカ」から「星は光りぬ」です。

私はウィーン国立歌劇場で「トスカ」を観劇しましたが、このアリアを聴いた時に とても感動しました。

歌手の情熱と集中力。
私たちの日常の生活では感じ取れないエネルギーを存分に受け取った瞬間でした。

 字幕表示がある劇場も多数

最近では、多くの劇場が多言語字幕の表示システムを導入しています。
たとえばウィーン国立歌劇場では、座席ごとに字幕スクリーンがあり、日本語の選択が可能です。また、パリ・オペラ座やロンドンのコヴェントガーデンでも、舞台上や客席前方に字幕が表示されることが一般的です。

 あらすじを事前にチェックしておくと安心

もちろん、日本語字幕がある劇場は非常に少ないですが、英語字幕があるだけでも大まかな筋は追えるので、ストーリーに入りやすくなります。

しかし余程英語に堪能でないと、リアルに字幕を追うのは大変です。またステージと字幕で目線が動きますので、なかなか集中できません。

オペラは古典的な演目が多いため、あらかじめ あらすじを調べておくことを強くオススメします。
私は日本国内であっても、あらすじは必ず事前にチェックしています。

Wikipediaや日本語のオペラガイド本などで、物語の流れや登場人物の関係をざっくり把握しておくと、当日は字幕を見なくても内容が理解できるので、観劇に集中でき、より深い感動に繋がります。

5. 安心して楽しむためのちょっとしたコツ

〜 初めてでも大丈夫。リラックスして優雅にオペラを楽しもう 〜

海外でのオペラ観劇は特別な体験ですが、「ちゃんと楽しめるかな?」「マナーを知らなくて恥をかかないかな?」と不安になることもあるかもしれません。でも大丈夫です。少しの準備と心構えで、ぐっと安心して楽しめるようになりますよ♪

 開演時間には余裕をもって行動を

開場時間は公演の30〜60分前。オペラハウスは美しい建築が多く、ロビーや階段ホールを見るだけでも感動します。早めに到着して、写真を撮ったり、雰囲気を味わったりするのも楽しみのひとつです。

なお、開演後は客席に入れないこともあるので要注意です。開演前にはベルなどが鳴らされますが、遅れないように早めに行動しましょう。

 荷物はクロークに預けよう

大きな手荷物やコートは、劇場内に持ち入れることができないことがあるので、クロークに預けましょう。ただ劇場内にクロークが複数個所設置されている場合もあるので、どのクロークだったか覚えておきましょう。

また基本的には有料なので、スマートに支払えるよう、1ユーロなどのコインを数枚準備しておくと安心です。

 トイレは開演前か休憩中に済ませておこう

これは劇場に限ったことではありませんが、海外は日本に比べトイレの数が少なく、古い劇場では、休憩中にトイレが混雑しやすいこともあります。特に女性用は行列になることが多いので、早めに席を立つのがおすすめです。

 座席の位置は事前にチェックしておくと安心

劇場によっては、座席の表示が1階、2階ではなく、名称で表現されることがあります。また、自分の席への入口が複雑な場合もあります。
あらかじめ公式サイトの座席図を見て、自分の席の位置を事前に確認しておくとスムーズです。しかし分からなくなっても、劇場のスタッフに尋ねると親切に教えてくれますよ!

 場内は意外と寒いことも

歴史ある劇場では空調が一定でないことがあります。1階は涼しいけど、上層階になるにつれて熱気で暑くなってくる。なんてこともあります。特に女性は体温調節できる服や羽織ものを持参しておくと安心です。

 休憩時間を楽しもう

ヨーロッパの劇場では、観劇前や休憩時間にロビーやカフェで会話を楽しむ文化もあります。

休憩時間にホワイエに行くと、オペラハウスって、つくづく社交の場だなと実感します。知人と軽く飲みながら会話を楽しむ。そんな光景が広がっています。(左の写真は幕間の休憩時間の光景です。)

みんなお洒落をして社交の場に出かける。オペラはそんな一面もあるのです。

皆さんも休憩時間には、シャンパンを楽しんではいかがでしょうか 🥂

写真:© A.SavinStaatsoper Vienna 015、CC BY-SA 3.0

 帰りはタクシーを利用しよう

オペラは上演時間も長いため、終演時間も遅くなります。私はホテルまでの帰路は主にタクシーを利用しています。余程、トラムの駅からホテルが近い場合は、トラムを使用することもありますが、大部分はタクシーを利用しています。

Google Mapであらかじめホテルを保存しておけば、その画面でタクシーの運転手に場所を伝えられるし、走行中もGPSで今どの位置にいるかも分かるので安心材料が増えます。

できれば2人以上で行動したほうが賢明ですね。ちゃんとホテルに着いたら、チップも渡しましょう!

6. 一度は体験してほしい、海外オペラの世界

海外のオペラハウスを訪れることは、単に舞台芸術を鑑賞するだけでなく、その国の文化や歴史・美意識に触れることができる貴重な体験でもあります。

長い伝統に支えられた劇場の雰囲気、観客の装い、重厚な音楽と圧倒的な歌声。そのすべてが、旅の中でひときわ記憶に残る時間となることでしょう。

この記事を通じて、少しでも「海外のオペラ行ってみたい」と思っていただけたなら、とても嬉しく感じます。

皆さまの旅が、より豊かで忘れがたいものになりますように。

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